タダ働きさせられそうになった英国のあるミュージシャンがテレビ局に宛てた1通のメール
私の親しい人々からも、ミュージシャンのギャラにまつわるトラブルは度々耳にします。多いのが、約束していたギャラを最後の最後で値切られたとか、「知名度が上がるから・修行のつもりで」ノーギャラで演奏してくれないか、といった打診。まぁどう考えても恥
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本当にミュージシャンをナメてるよね。
事情があって訳もきちんと説明あっての提示額なら、自分で納得すれば引き受ける事もあるけど、、
この金額で当然みたいに学生のアルバイトみたいな金額言われても、、
結構あるんだよな、、。
こんにちはゾエ
まず最初に、レーベルはないとお伝えします。自分の音源を完全に所有しているのは私です。そのためあなたが誰にメールを書いたのかよくわかりません。
次に、あなたの中身のないギャグ、「残念ながら音楽に充当する予算がないのです」という常套句には死ぬほどうんざりしているとお伝えします。不変の宇宙の法則が、「音楽には金を払えない」という悲しくも変更不能な財政的宣告をあなたに告げてきたかのように、あなたはそう書きました。しかし、予算を設定したのはあなたの会社なのです。音楽に予算はかけないと決定したのはあなたたちなのです。こういう物乞いみたいな手紙を私は毎週のように受け取ります。人気急上昇中の、潤沢な予算があるメディア産業から。
なぜこういうことが起きてしまうのか。私達はお互いが何者なのかを見てみましょうか。
私は自分の音楽によって生計を立てている、プロの音楽家です。私は半生をかけてこのスキルを獲得してきました。険しい道のりを前進してきました。その結果、あなたのような見知らぬ人が私にメールをよこすまでになりました。この音楽は、私が懸命に築いてきた財産です。私はこれまで、規模の大きいショーやブランド、ゲームやテレビ番組制作会社と自分の音楽をライセンス契約してきました。「ブレイキング・バッド」や「ザ・ソプラノズ」、コカ・コーラやVISAカード、HBOからロックスター・ゲームスまで。
胸に手を当てて聞いてみてください。あなたはアートさんやディレクターさんに、そういう経歴の持ち主にタダ働きさせるような、ふざけた提案をするのでしょうか?勿論しないでしょう。何故ならあなたが属している産業は、こうした人々の仕事を尊重し、それに対して対価を支払ってきた前例があるからです。
それともあなたは誰か知らない人の家に入って、彼等のどんぶりから勝手に食べて、微笑みを浮かべながら帰り際に「本当にすみません、食べ物のための予算はないんですよ」とでも言うのでしょうか?勿論あなたはそんなことしないでしょう。何故なら私達の文化では、それは「窃盗」と呼ばれている行為だからです。
それでもミュージシャンたちに対する文化的な軽蔑は、あなたの職業において蔓延しています。そのためあなたたちは可能な時はいつでも音楽をかっぱらおうとするのです。あなたは撮影に関係する全ての人々に賃金を支払いますよね。疑いようもなく。ケータリングの人、照明の人は勿論、セットにモップがけする人や撮影後にトイレ掃除する人にまで。ミュージシャンは?タダでいいんじゃない、とあなたは言うのですか。
さて今度はあなたのことを見てみましょうか。あなたのウェブサイトをちらっと見てみました。国際的な配信もする有名なバラエティ番組をたくさん抱えていますね。あなたたちは成功を収めた、支払い能力のある、世界的な評価を得ている会社でヒット番組をたくさん持っています。ウェスト・ロンドンにオフィスのあるチャンネル・フォーと緊密に連携して様々なテレビ番組を制作し、数々の賞を受賞してきました。あなたたちには金がある。ない、というのは私に対する侮辱です。
それでもあなたは私にこんな貧乏臭い依頼をしてきます。お前の財産をよこせ。無料で。お前の持ち物をくれ。俺達はそれが欲しいんだ、と。
私の回答は、断固とした、永遠のNOです。
私はこれからこのメールを自分のウェブサイトに掲載します。主要な音楽サイトやブログに転送します。彼等にこれを拡散するよう依頼します。ミュージシャンをこのように濫用する産業について人々が議論しはじめるのを、私は見てみたい。あなたのメールは行き過ぎでした。もうたくさんです。私はあなた(たち)に死ぬほどうんざりしています。
NJ White
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